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哀悼と葬送の物語
冒険活劇であると同時に、「死者とどう向き合うか」という、ある意味宗教的なテーマをも併せ持つ、「闇の守り人」。
「精霊の守り人」の続編、シリーズの2話目にあたります。

主人公・バルサの、養父ジグロへの哀悼と葬送の物語、とも言えます。

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以下は感想です。
今回は、言ってみれば「バルサ自身の物語」である。

前作の旅での、少年・チャグムとのかかわりを通して、自らの過去に何らかの決着をつけることを決意し、故郷・カンバル王国に戻るバルサ。王家の侍医であった父を死に至らしめ、父の親友であった養父・ジグロと幼いバルサとに長い逃避行を強いた、古い陰謀の主はとうに亡い。しかしその根の上に新たな陰謀が育っていることを、バルサはむろん知るよしもなかった。

カンバル王国は、新ヨゴ皇国とは対照的な武人の国。各氏族の長の直系の男子のうちもっともすぐれた武人が選ばれて「王の槍」となり、同じ長の血縁であっても女系の子は傍系として「牧童」の監督を主な任務とする、という徹底した男系社会でもある。かつての逃避行で通った山の洞窟で、バルサはひょんなことから、ジグロの出自である「ムサ」氏族の傍系の子、カッサとジナを「ヒョウル」=闇の守り人の手から助ける。この出会いが、しかし、バルサを新たな困難に巻込むことになる・・・。

この話でも、異民族である「牧童」が登場する。山羊飼いとして「氏族」の下にいるように見えるかれらは、「氏族」たちが怖れる洞窟の闇に親しみ、精霊や地底の生きものと意思を通じ、この国の「もうひとつの世界」とつながっている。

かれらの助けを得ながら、進行中の陰謀を止める役割を担って、カンバル王家と「山の王」との「儀式」の場に向かうことになるカッサと、その護衛を依頼されたバルサ。最後に明かされる、「儀式」のほんとうの意味と「ヒョウル」の「正体」。深い痛みと悲しみを伴いながら、バルサはそれを知ることになる。

少年・カッサの成長の物語を脇すじにおきながら、ここで描かれているのは、バルサが最終的に養父ジグロを弔う物語でもある。闇と死に彩られた重い話でありながら、最後には透明感が漂う。

異る文化や宗教のあり方を重層的に描きながら、この世界はこの後もしだいに拡がっていく。
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