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「くすり」を巡るエトセトラ
昨夜は「江戸川区小児科医会」(江戸川区の小児科医の集まりです)の新年会でした。当然、小児科医ばかりの集まりですから、医療関連の話題が多くなります(それだけじゃ、ないですけれどね)。たまたま昨日は、「くすり」を巡る話題が多くなりました。

ひとつは、日常の診療でよく使うくすりの話題。他の医者の「悪口」は言いたくはないのですが、日々診療していると、他の医療機関で処方されたくすりの内容に「え?」と首をかしげることがあります。小児科医会は小児科を専門としている人ばかりですから、多かれ少なかれ同じような経験をしているようです。

中でも、これはちょっと・・・というのは

*1日3回飲む「かぜぐすり」の中に解熱剤(「カロナール」「コカール」など)が初めから入れてある。
子どもの(いやほんとうは子どもに限らず)解熱剤の使い方としては、これは不適切だ、というのは小児科医の常識。解熱剤は一時的に熱を下げる効果しかないので、熱が高くて、苦しい時に使う。「頓服」として出すのが普通です。定期的に解熱剤を飲むと、熱は「上がったり下がったり」をくり返すだけで、早く治るわけでもないし、むしろ自然の経過としてどうなのかをわかりにくくしてしまったり、ときには熱が下がり過ぎてしまったり、いいことはありません。

*抗ヒスタミン剤(はなみずなどに使われる)とステロイド剤を混ぜた「セレスタミン」という薬が多用されている、説明なく使われている。
ステロイド(副腎皮質ホルモン)の飲み薬は、特別な場合にだけ使うくすりです。「難病」と呼ばれるような病気には、治療にステロイドが欠かせないものはたくさんありますが、日常よくみる病気では、アレルギーのひどい症状や、喘息の重い発作、あとは小さい子のクループ、くらいでしょうか。この中で、抗ヒスタミン剤も一緒に使うことを考えるのは、蕁麻疹などの場合だけ。喘息やクループでは、抗ヒスタミン剤はむしろ痰を出しにくくするので、避けたい場合が多いのです。ましてふつうの「かぜ」で使うようなくすりではありません。

その他にも、抗生物質(それも耐性菌を考えた新しいもの)がむやみに出されていたり、薬の種類がやたらに多かったり、というのも、考えものです。効果のはっきりしたくすりを、必要なだけ、というのが、小児科医のあるべき姿勢だと思うからです。

もうひとつ、話題にのぼったのが、ADHDの症状を抑えるのに使われてきた「リタリン」。成人では依存性が問題になっており、違法に手に入れるような事件が続いたため、この薬が使える病気はごく限られ、かわりに同じ成分の「コンサータ」を使うように、昨年末から制度が変りました。この動きは(厚生労働省らしくもなく)非常に速く、そのために混乱が起きている、という話でした。

コンサータを処方する医師も、扱う薬局も、資格が必要ということになったため、数少ない「資格を持った医師」のところに患者さんが集中してしまう。さらに「コンサータ」は錠剤しかなく、潰したり割ったりして使うこともできないので、錠剤が飲めない子どもでは使えるくすりがないことになってしまう。そうなると結果的に、今までリタリンを飲んできた子どもが急にそれをやめる、ということになってしまいます。

ADHDなら自動的にリタリンを、というような使い方がされるべきくすりではないとは思いますし、何らかの管理が必要なのはわかるけれど、ちょっと進めかたが乱暴なのではないか。また、一生続けるというのではなく、経過の中でやめていくくすりではあるのですが、やめるときは「だんだんに減らしていく」のが常識というもの。それが外部的な理由で「いきなりやめる」ことになりかねないというのは、どうにも不合理です。

この問題だけがどうしてこんなに速く処理されたのか・・・も不思議といえば不思議ですが・・・
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