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サービスがいい
文芸評論、という分野、どうも文章が小難しく堅苦しい感じで読む気にならないのですが、この人は別。

斉藤美奈子「文学的商品学」

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以下は感想です。

まえがきで著者が述べているとおり、「日本の現代文学が、モノ(やや高級ないいかたをすれば消費財)をどう描いているかを観察してみよう」という本。ジャンルとしては9つ、青春小説、風俗小説、カタログ小説、フード小説、ホテル小説、バンド文学、オートバイ文学、野球小説、貧乏小説。なんとなく「ナルホド」と思うラインナップ。とりあげられている「モノ」は衣・食・住の基本的なモノから車や香水など高級品、さらに音楽やバイク、スポーツといった趣味の領域にいたり、ほとんど「モノ」とは言えない分野まで含まれている。

基本的に戦後文学、とくに最近の作品に焦点をあてているのだが、それを論じる際の「対照」として「古典」的な文豪の作品にも言及される。

この著者の文章は、「こういう視点もあったのか」「こういう分類のしかたもあったのか」と思わされることが多いわけだが、この本もそんな感じで、とても面白く読める、と同時に、「こういう小説もあったのか」と知ることにもなる。

さすがに「聞いたこともない作家」は登場しないけれど、「読んだことのある作家」は少なく、「読んだことのある作品」はさらに少ない。「青春小説」でひかれている『風の唄を聴け』『赤頭巾ちゃん気をつけて』『限りなく透明に近いブルー』、「フード小説」の『12皿の特別料理』、「ホテル小説」の『ダンス・ダンス・ダンス』(確かに「いるかホテル」だもんね)、それに「貧乏小説」の『蟹工船』くらい。

しかし、解説で述べられているように、「消費者本位」でサービスのよい本で、サービスがよすぎて、読んでいない作品まで読んだような気になってしまう。それが難と言えば難である(笑)。

これも前書きに書かれていることだが、小説を読むとき、どうしてもストーリーばかり追いかけてしまう。それが面白ければ面白いほど、よけいに「この先」が気になってスピードがついてしまう。だから、一度めに読んだときにはディテールがほとんど頭に入っていなかったりするのだ。

細部にこだわって読むこと、そのものよりも、何度か読み返すこと、そこでまた新たな発見がある、ということがポイントなのだろう。

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