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海の民・侵略の影
 ちょっと、間があいてしまいましたね・・・

 『守り人』シリーズの外伝が、文庫化されています。
 『虚空の旅人』

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 以下は感想です。
 短槍使いの用心棒、バルサを主人公とする『守り人』シリーズの外伝。主人公は、『精霊の守り人』でバルサに助けられた、新ヨゴ皇国の皇太子、チャグムである。『精霊』のときは11?12才のチャグムだが、この時には14、5才に成長している。

 海の民の連合王国というべき隣国・サンガルに、新王即位の儀式に参加するべくやってきたチャグム。豊かなこの王国は、海賊の末裔であり今でも独立心おう盛な「島守」たちを束ねて成り立っており、それゆえの不安定さも持っていた。そこに忍び寄る、南の大国タルシュの侵略の影。さらに、もうひとつの世「ナユーグル」に魂を囚われた幼女、「ナユーグル・ライタの目」があらわれて・・・

 島守たちを懐柔し、さらに呪術を操って一挙にサンガル王家に打撃を与えんとするタルシュの密偵。陰謀に気づき、外交交渉力を駆使してこれを阻止しようとするチャグム。一方陰謀の舞台となる王家とは対照的な場に、もうひとりの主人公がいる。一生を船の上で暮らし、「ナユーグル・ライタ」についても陸の上の民とは異る言い伝えをもつ、海の漂泊民「ラッシャロー」の少女、スリナァである。タルシュ侵攻の巻き添えをくって父と弟妹を捕らえられてしまった彼女は、助けてくれた老人との約束を果たすため、都までタルシュの情報を伝えに海上をゆく。

 華やかで個性的なサンガル王家の人びとや、シュガ・チャグムと密偵との呪術対決も見ものだが、同じ社会の底辺に生きる、国境というものを持たないこの少女の視点が、物語に奥行きを与えている。それはまた、皇太子として生きざるをえないチャグムや、彼を支えるシュガの抱える哀しさを、逆照射しているようでもある。そして、バルサやタンダ、トロガイとの交流から彼らが得てきたもの(通常の皇太子や星読博士の枠から離れたもの)こそが彼らを支えている、そのこととも通底する。

 陰謀はいったん阻止されたが、不安定な政治状況は変わらない。チャグムの未来は果たしてどのようなものとなるのか。
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