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諏訪緑版「三国志」
 久しぶりにのんびりした日曜日、『諸葛孔明・時の地平線』を読みました。古代中国を舞台にした作品の多い諏訪緑が、『三国志』を題材にしたものです。コミックで全14巻とかなりの大作。まあ『三国志』ですから当然とも言えますが。

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 物語は、徐州・瑯耶の街で、戦火に追われ弟妹を連れて逃げ惑う少年・諸葛亮が、軍をひきいる曹操に出会うところから始まり、五丈原で孔明が没するまでを描いています。『三国志』ではありますが、孔明の主となる劉備はまだしも、関羽・張飛という主要登場人物はさほど中心的な役割を果たしません。かわって、序盤から中盤まで行動を共にする龐統士元をはじめ、旅の途中で出会う謎の医師・華佗、劉備軍の武将・趙雲子竜、西涼の将・馬超、さらに江東の周瑜、最大の敵・曹操、中盤以降に登場する魏の軍師・司馬仲達、孔明の妹・朧、許嫁・英や、孔明に対して複雑な感情をもつ馬謖などが、印象的な役割を果たしています。

 物語の構造は、他の諏訪作品でいえば、『玄奘西域記』と似ている部分があります(むろん、超変なのでより複雑になっていますが)。

 ひとつは、物語の軸としてある「異質な者どうしの友情」です。『玄奘西域記』での玄奘とハザク同様、性格も育った環境も異なる者が、ぶつかりあいながら絆を深め、助け合っていく。故郷を追われ流浪の日々を過ごした孔明と、豪族の家に生まれ「お金も教養もゲップが出るほどある」士元。知恵と知識に拠る孔明と、武人として生きる子竜。漢人である孔明・士元と、異民族である華佗・馬超。

 もうひとつの軸は「旅」。玄奘は唐から天竺の南端まで行って戻り、孔明もまた華北から華南、中原を駆け巡り、その旅の中で様々な風景や言語、文化に接します。こうした「異文化体験」は、『うつほ草紙』にも、『蠶叢の仮面』シリーズにも見られます。

 そして、「意味のある敵」。単純な悪役ではなく、自分を照らし出す鏡のような存在。『玄奘西域記』におけるハルシャ王であり、この物語における曹操です。彼らの存在が、主人公たちを翻弄すると同時に、成長させもするのです。

 楽しんで読める、諏訪版『三国志』。なお私のお気に入りキャラは、発明オタクの英と、有能なのにサボってばかりいる司馬仲達です(笑)。
 
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