2017/10
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ADHDと農薬?
今日の朝日新聞夕刊に、「農薬摂取、子どもに発達障害の傾向」という見出しの記事が掲載されています。
WEBではこちら。農薬摂取で「子の注意欠陥・多動性障害増える」 米研究

えっ農薬が原因なの?・・・と思ってしまいそうですが。
原文は概要・本文ともこちらから読むことができます。

概要をざっくりまとめると・・・

「ADHDと尿中有機リン殺虫剤代謝産物」
目的:8歳から15歳までの子どもにおいて、尿中の有機リン代謝産物濃度とADHDとの県連を調べる
方法:2004?2008年の米国の全国調査から得た1139人のデータ、DSMをやや改変した基準によるADHDの診断
結果:119人がADHDの診断を満たす。尿中の有機リン代謝産物濃度の高い子どものほうがADHDと診断される子が多い(有機リン代謝産物の名前がいくつか出てきますがその意義はよくわかりません)
結論:これらの知見は米国の子どもの通常レベルの有機リンへの曝露がADHDの増加に関与している可能性ありという仮説を支持するもの。因果関係の有無についてはプロスペクティブスタディが必要。



と、いうことです。本文中に書かれているのですが、尿のサンプルが1回しか採取されていない(本来何回か継続して調べるべき)など、問題はあります。他にも、様々な他の要素の影響を排除しきれない、という「後方視的研究(それまでにあったデータを後から見て分析する)」の限界があり、だからこそ、「因果関係を議論するにはプロスペクティブスタディが必要」という結論になっているわけです。

つまり、ここで言われているのは、ADHDの症状が現れるのに有機リンが何らかの関係があることが示唆される、ということにとどまり、「それが原因である」ということではないわけです。例えば、他にもっと根本的な原因があり、有機リンの影響は、それをより顕在化させるのかもしれない。また有機リン以外にも、同様の役割を果たすものがあるかもしれない。

今後も注目したい研究結果ではありますが、一気に結論を出せるようなものではないようです。
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