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ADHDと農薬?つづき
前のエントリでは、新聞記事に取り上げられた論文の概要をざっとご紹介しました。

本文を読んで少し補足した方がいいかと思うところを書いておきます。

本文では、まず、米国内で有機リン系の殺虫剤が約40種類登録されていること、これらは家庭でも使われている(園芸用とかでしょう)ものの、子どもでは食事から摂取する経路が主なものと考えられていること、が述べられています。自宅の庭に撒いた殺虫剤を吸い込む、とかいう経路は重要でない、ということですね。

一方、発達途上の脳は、神経毒性を持つ物質によってより影響を受けやすいこと、また、身体の小さな子どもは、体重あたりに換算してより多くの農薬を取り込むことになりがちであること、から、有機リンの毒性に関して子どもは最もリスクが高い、とされます。そして、これまで、通常より高いレベルの汚染にさらされた子どもたちに焦点をあてた疫学的研究がいくつかある、その概要が紹介されています。
高いレベルでは、出生前の(つまり胎内での)曝露によって、広汎性発達障害、2~3歳時点での知的な発達の遅れがあらわれるリスクが増える。出生後の曝露では、問題行動、短期記憶や運動能力の低下、反応速度の遅れを伴なう。

では、より低いレベルでの曝露によって、神経発達の上でのリスクが高まるのかどうか。それを検討する、というのが、この研究の趣旨であるわけです。

その方法として、全国的に行われたCDCによる大規模なサーベイランスで、8歳から15歳までの子どものADHDのアセスメントを行った2000年?2004年のデータを使って、尿の中に検出された有機リン化合物の代謝産物の濃度と、ADHDの診断が下された子どもの数とに相関関係があるかどうかをみています。

尿のサンプルが1回限りの採取で継続的なものでない点については前回も触れましたが、もうひとつ、ADHDの診断については、過去12ヶ月にADHDのカテゴリにあてはまるような行動があったかどうか、で判断されており、DSMの「7歳未満の発症」という基準は採用されていない、という点はどうなのかな、と思います。「同じような行動を示す他のものを一緒に見ているのではないか?」というツッコミが入ってもおかしくないように思うのですが・・・

もう少し専門的なきちんとした解説がこちらに。
疫学批評:有機リン系農薬の曝露で、注意欠陥多動性障害のリスク上昇。

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