2017/08
≪07  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   09≫
Hibの記憶
江戸川区がHibワクチン接種料金の半額助成を始めたためか、接種のお問い合わせが増えています。診察や健診の際に「受けたほうがいいのでしょうか?」と聞かれることも多くなってきました。

今のところ、私は、「受けるにこしたことはないけれど・・・」とお答えしています。何しろワクチンの供給量が限られているので、「ぜひ、受けましょう」と言っても、接種できる保証がないというへんてこな状況になってしまっているので。

一方肺炎球菌ワクチンも発売されています。こちらは今のところ注文すれば速やかに納入されます。ただし単価が高い!子どもの髄膜炎の原因菌は、一位がHib、2位が肺炎球菌ですから、本来ならばHibのほうが優先順位が高いと言えるのでしょうが、いろいろ悩ましいところです。

いずれにせよ、確かに、「よくある病気」ではないのです。麻疹のように子どもの間で流行するというものでもありません。私自身も(感染症の専門病院にいたことがないからでしょうが)Hibによる髄膜炎の患者さんは診たことがありますが、肺炎球菌はありません。ただ、感染して発症すれば、今でも非常に重い病気であることには違いありません。
私の記憶に深く印象をとどめている、Hibによる髄膜炎の患者さん。大学の研修医の時で、たしか1歳半くらいのお子さんだったと思います。症状は発熱と嘔吐、近くの病院で胃腸炎として何回か点滴を受けたがよくならない、というので大学病院の外来にいらっしゃったということでした。受診された時にはすでに意識がはっきりしていなかったようで、緊急の髄液検査で髄膜炎と診断、入院になりました。指導医の先生方がかなりあわてていろいろ動いていらっしゃったのを覚えています。点滴、血液検査、髄液検査、人工呼吸器の管理、と下っ端研修医としては毎日が緊張の連続でした。意識が回復して目を開けてくれたときにはほんとうに嬉しかった!一命をとりとめた後には脳波の検査、聴力検査、退院時には療育施設への紹介・・・新米の医者としてはずいぶん「勉強させてもらった」ことになりますが。

開業してからは、あとになって「実はHibの髄膜炎で入院していたんです」と聞くことがあります。そういうふうに考えると、「すごく珍しい病気」というわけでもない、と思わされます。入院される4~5日前に受診されている場合もあるのですが、そのときには熱もなく、まったく髄膜炎を疑わせるような徴候はありません。それだけ、症状のあらわれかたが急激だ、というふうに言えるでしょう。今は、私が研修医をしていた頃よりもずっと治療法が進歩していますから、後遺症なく治る人も多いと思われますが、一方で抗生物質への耐性を持つ菌が増えているので、治療に苦労することも多いようです。

防げるものならば、防ぎたい。まずはワクチンがスムーズに供給されるようになってくれないかなあ・・・
関連記事
Secret
(非公開コメント受付中)

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新の記事
つぶやいてます
リンク

カテゴリー