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「東洋医学、代替医療等に関する日本助産師会の見解」について
ひとつ前のエントリで取り上げた事件。

末尾に、「助産師会も、赤ちゃんの生命を扱う医療者の団体として、明確な方針を提示していただきたいものです。」と記したのですが、同日付で、日本助産師会から「見解」(pdf)が出されていました。

ツイッターではちょっとつぶやいたのですが、私は、残念ながらこの内容には極めて重大な問題があると考えます(以下、助産師さんを対象に考えて書いたのでやや専門用語が多くなっています)。

第一の問題点は、ビタミンKを与えずにその「代用品」(記述よりホメオパシーのレメディと思われる)を新生児に与えることの危険性を、あまりにも軽視していることです。
ビタミンK欠乏によって凝固系の障害が引き起こされ、出血性疾患がもたらされること、中でも乳児の頭蓋内出血は重大な合併症であること、は、よく知られている医学上の事実であり、現代の助産師教育を受けた方であれば常識として備わっているはずの知識です。当然、ビタミンK製剤の予防投与の意義についても、十分に理解されていてしかるべきものです。「自然療法」と呼ぼうが「代替医療」と呼ぼうが、その名のもとに、安全性と有効性が確立されているビタミンK製剤の投与を回避することが、正当化されるはずはありません。そのことを、まず明確にされる必要があると考えます。

第二の問題点は、「代替医療」の位置づけの曖昧さにあります。私のかつての勤務先においても、お灸やアロマセラピーなどは部分的に導入されていましたし、妊産婦へのリラックス効果はあったと思います。しかし、それは、あくまでも補助的なものであり、正常な妊娠分娩経過を支えるものです。標準的な医療にとってかわる効果を持つものではありません。

その範囲をこえて、代替医療が、標準的な医療で必要とされる検査や治療をないがしろにする理由になってしまえば、これは今回の事件と同質の危険性をはらむものとなります。助産師さんの業務は、医師の行う医療業務にとってかわるような性格のものではないはずです。

多くの助産師さんは、よく学び、妊産婦と乳児に向き合い、誠実に仕事をしておられます。産科医はもちろん、私たち小児科医にとっても、かけがえのないパートナーです。だからこそ、助産師さん全体への社会の信頼が揺らぐようなことは、あってほしくないのです。

このような事件の再発を防ぐために、より明確な指針を示し、会員に徹底していただくことを強く望みます。
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