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『川の名前』
久しぶりの読書ネタであります。

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『川の名前』川端裕人作/ハヤカワ文庫

たまたま、近くの書店で見かけて購入。手書きPOPつきで平積みになっていたので、「書店員オススメ」ていうやつだったのかも。2006年初版で買ったものは今年7月の第三刷ですが、確かに夏休みにぴったりの物語です。

主人公は東京都内の小学校5年生の少年、菊野脩。1学期最後の日、教室の窓から外を眺めていると、校庭の向こうにある桜川の中に謎の生き物が。この生き物と川をめぐって、脩と友人の「ゴム丸」「河童」の3人の冒険が始まります。

転校生である脩はなんとなくクラスから浮いており、特に優等生の手嶋が何とも苦手。ゴム丸は肥満児で、発達障害の妹のことも含めて身体の大きい同級生・海野のいじめの標的。寡黙な河童は、どこか他人と距離を置いている。そんな3人が、桜川の謎の生き物の正体をつきとめ、その生活を見守っていくのですが…

奥多摩の源流から河口までの多摩川本流、そして支流のそのまた支流、そこを潤す湧水の池、という「流域」の世界。そこに生きる多様な植物や動物たちと。おかしなラッパを吹き鳴らし意味不明なことばを叫ぶ謎の老人「喇叭爺」。橋の下に何故か打ち捨てられているカヌー…わくわくするような世界が、そこに広がっていきます。

流域の生物と人間の歴史、外来生物との関わり、人間と野生生物(とマスコミ)、といった問題と、少年たちがそれぞれに自分自身と向き合い、成長していく物語とが撚り合わされて、独特の世界をつくっています。ちょっと、アーサー・ランサムのシリーズを連想したりもしました(あちらはイギリスの湖沼地帯で立派なヨット、こちらは多摩川でカヤックとかカヌーとかなんですが)。

おとなが読んでも面白いですが、本をよく読む子どもであれば小学校高学年くらいからでも、十分楽しめると思います。

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