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風疹流行中
最近さかんに報道されるようになりましたが、風疹が近年まれに見る流行になっています。特に今は首都圏で多いようです。

というわけで風疹の話(『母の友』2013年1月号に書いたものに少し書き加えつつ)

風疹は、2012年の、特に春先から、急速に患者数が増えています。当初は大阪府や兵庫県など関西が中心でしたが、最近では首都圏で増えています。今回の風疹の流行は、おとな、特に20代から30代の男性が中心です。

子どもは、小さい時に、風疹の予防接種を、単独、あるいはMR(はしかと風疹の混合)ワクチンとして受けていますし、MRワクチンは追加の接種もあるので、風疹の抗体を十分に持っている子が多いのですね。おとなでも、女性の場合は、かつて中学生の年齢で風疹の予防接種を受けた人も多く、また、妊娠出産に際しては必ず風疹の抗体の検査が行われ、十分な抗体がない場合は出産後にワクチンを受けることを勧められるのが普通ですから、抗体を持つ人は男性よりも多いということがあります。一方、ワクチンのない時代に育った高齢者は、たいてい子どものころに感染して免疫をもっています。そんなわけで、十分な抗体を持たない年代の男性が流行の中心になっているのです。

そもそも風疹とはどんな病気か、見たことがないという人も今は多いと思います。風疹は「3日はしか」とも呼ばれることがあります。はしかに似た症状が、しかしずっと軽く、3日くらい続く病気、ということですね。典型的な症状は、熱とともに身体に赤いぶつぶつができ、3日くらいで熱が下がるとともにぶつぶつも消える、というものです。耳の後ろや後頭部のリンパ腺が腫れることが多く、診断の助けになります。

しかし、風疹の症状は典型的でないことも多く、他の病気とまぎらわしいことも多いので、症状だけから風疹と診断するのは難しい場合もあります。診断を確実にするために、血液をとって抗体の変化を調べたり、のどにいるウイルスを調べたりすることも行われています。これらはいずれも、診察室でその場で結果がわかるという検査ではないので、風疹かどうかはっきりするまで多少時間がかかります。

子どもの病気としては軽いものですし、15%ほどの人は、感染しても症状がなく抗体ができる、不顕性感染になります。一方おとながかかると、熱が高かったり、長く続いたり、関節炎を伴ったりすることが多いと言われています。まれに、脳炎や、血小板減少性紫斑病(血液中の血小板が減って皮下などに出血しやすくなる病気)などの合併症が起きることもあります。

風疹とまぎらわしい病気としては、溶連菌感染症やりんご病、異型麻疹(はしかの予防接種をして抗体が残っている人がはしかにがかかった場合に出る、軽い症状)などがあげられます。実際、おとなの人では、異型麻疹を疑われて検査したら風疹だった、という人も少なくないようです。

はしかと違って、風疹そのものは、重い合併症は少なく、自然に治る病気ですが、妊娠初期の女性が感染すると、おなかの胎児にも感染する結果、心臓や眼、耳などに障害をおこします。これを「先天性風疹症候群」といいます。風疹の予防接種を受けている女性でも、知らないうちに抗体が低下していて、周囲に流行している時に感染したり、本人は不顕性感染でも胎児に感染して先天性風疹症候群になった、という例も報告されています。

今回の流行は子どもの集団での流行ではなく、子どもの感染は、家族からうつった場合がほとんどのようです。逆に、職場での集団感染の例が報告されていますし、海外出張の際に感染したと考えられる例もあるとのことです。

ただ、おとなの感染者が急速に増えているので、まだワクチンをしていない子どもに拡がる可能性もあります。子どもや夫などの家族から、あるいは職場の同僚から、妊娠中の女性が感染する可能性も高まります。こういう流行状況を考えると、MRワクチンの接種がまだのお子さんは早めに受けておいた方がよいと思います。
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